在宅ワークが日常になってから、
私の生活で確実に使用時間が増えたものがあります。
それが「イヤホン」。
オンライン会議、作業用BGM、動画のながら再生。
気づけば朝から夕方までイヤホンを装着しっぱなし、なんて日も珍しくありません。
そして訪れる夕方。
耳が痛い、蒸れる、外した瞬間にどっと疲れを感じる。
この経験、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
そんな私が最近注目しているのが、
イヤーカフ型イヤホンというジャンルです。
今回レビューするのは、
EarFun Clip。
VGP 2025 SUMMER 金賞を受賞し、
Bluetooth 6.0、LDAC、3Dオーディオまで搭載した、なかなか欲張りな一台です。
イヤーカフ型イヤホンとは?在宅ワーク向きな理由
イヤーカフ型イヤホンは、
耳の穴に押し込まない「オープンイヤー」タイプ。
耳に挟むように装着し、
空気伝導で音を届ける仕組みです。
この構造のおかげで、
- 耳を塞がない
- 周囲の音が自然に聞こえる
- 圧迫感が少ない
という特徴があります。
在宅ワーク中は、
インターホンや家族の声、生活音にも反応できた方が便利。
その点で、イヤーカフ型はかなり理にかなっています。
装着感:軽くて安定、長時間でもストレスが少ない
EarFun Clipを装着して最初に感じたのは、
「軽い、そして存在感が薄い」ということ。
耳に挟むだけなのに、
デュアルC型構造のおかげで意外と安定します。
- 首を動かしてもズレにくい
- 長時間つけても痛くなりにくい
- 耳の中が蒸れない
この「つけていることを忘れる感覚」は、
在宅ワーク用途ではかなり大きなメリットです。
カタログでは分からない「EarFun Clip」の基礎体力を検証
「安いからそれなり」という偏見は捨ててください。2026年現在の基準で見ても、本機の基礎スペックはオーバースペック気味です。私が特に重要だと感じた3点を深掘りします。
1. 接続安定性の要「Bluetooth 6.0」の実力
本機最大のアドバンテージは、最新規格「Bluetooth 6.0」への対応です。
多くの競合機種がまだ5.3や5.4に留まる中、
6.0を採用するメリットは「接続の粘り強さ」にあります。
実際に、
電子レンジを使用中のキッチンや、
Wi-Fiルーターが密集するマンションのデスクで使ってみましたが、
プツプツ切れるストレスは皆無でした。
オンライン会議中に
「あ、すみません聞こえなくて」と謝るリスクを極限まで減らせる。
これだけで、仕事道具として選ぶ価値があります。
2. 【実測検証】5.7gは「100円玉」より軽い
カタログ値は片耳約5.7gですが、
実際にキッチンスケールで測ってみました。
実測でもカタログ通り。この軽さが武器になる。
参考までに、
100円玉一枚が約4.8g、
500円玉が約7gです。
つまり、「耳に小銭を乗せているより遥かに軽い」感覚です。
イヤーカフ型の特性も相まって、
装着して30分もすれば着けていることを脳が忘れます。
会議が終わった後、
そのまま着けっぱなしでスーパーに買い物に行ってしまったことが何度あるか分かりません。
3. IP55防水と「清潔感」の維持
IP55(防塵・防水)対応なので、ランニング中の急な雨や、ジムでの汗程度なら全く問題ありません。
個人的に気に入っているのがメンテナンス性です。表面がマットな樹脂素材のため、皮脂汚れが目立ちにくく、ウェットティッシュでサッと拭けばすぐにサラサラに戻ります。
※注意:IP55は「噴流水」への耐性であり「水没」対応ではありません。水道でジャブジャブ洗うのはNGですが、濡らしたタオルで拭き上げる程度なら毎日行っても安心です。耳というデリケートな場所に触れるものだからこそ、常に清潔に保てるのは大きな加点ポイントです。
音質レビュー:作業用としてはかなり優秀
正直に言います。
このイヤホンは、音楽に没入するためのものではありません。
ですが、
- 人の声がとてもクリア
- 会議や通話が聞き取りやすい
- 作業用BGMとしてちょうどいい
LDAC対応ということで期待していましたが、
低音は控えめ。
ただしその分、
長時間聴いても疲れにくい音作りです。
在宅ワークで重要なのは、
「感動する音」より「邪魔にならない音」。
EarFun Clipは、そこをしっかり押さえています。
「痛い?落ちる?」着用感に関する3つの不安を検証
イヤーカフ型で最も心配なのは
「耳への負担」と
「装着の安定性」です。
在宅ワーク歴5年の私が、過酷な環境でテストしました。
① メガネ×マスク×EarFun Clipの「三重苦」は耐えられるか
花粉症の季節や外出時、私たちの耳周りは大渋滞します。
そこで、
「メガネ」
「不織布マスク」
「EarFun Clip」を同時に装着
して3時間作業してみました。
結論から言うと、「無痛」です。
理由は、
EarFun Clipのフック部分が非常に細く設計されているため、
メガネのつるやマスク紐と干渉しにくいからです。
耳の裏で喧嘩することなく、
それぞれが独立して存在している感覚。
これなら一日中つけっぱなしでもストレスフリーです。
② 独自技術「デュアルC型構造」の安定性テスト
本機の特徴である「デュアルC型構造」。
これがただのデザインではないことを証明するために、
少し極端なテストを行いました。
【検証:ヘッドバンギング・テスト】
激しいロックを流しながら、
頭を激しく振ってみました。
結果は微動だにせず。
耳の軟骨を優しく、
しかし確実に挟み込む構造のため、
ランニングや階段のダッシュ程度では絶対に落ちません。
耳たぶが厚い人でも薄い人でも、
素材が適度にしなるため、
オーダーメイドのようなフィット感が得られます。
③ 「物理ボタン」こそ正義。タッチセンサーとの決別
在宅ワーク中、
髪をかき上げたり、
メガネの位置を直したりした瞬間に
「ピロロン♪」と音楽が止まる……
あのタッチセンサー特有の誤操作に
うんざりしていませんか?
EarFun Clipは、側面に「物理ボタン」を採用しています。
「カチッ」という確かなクリック感があります。このメリットは計り知れません。
- 誤操作ゼロ:意図して押し込まない限り反応しません。
- 確実な操作:手袋をしていても、濡れた手でも確実に操作できます。
地味ですが、
毎日使う道具として「思い通りに動く」ことの快適さは、
何物にも代えがたいものです。
3Dオーディオと音漏れ防止の実力
3Dオーディオについては、
映画館のような立体音響を期待すると肩透かしです。
ただ、
音が頭の中心に固まらず、
自然に広がる感覚は確かにあります。
音漏れ防止も優秀で、
音量を上げすぎなければ在宅環境では問題なし。
家族がいる環境でも使いやすい印象です。
3. 【オタク的検証】音質・マイク・遅延を徹底テスト
「ながら聴きイヤホンに音質なんて求めてない」
と思っていませんか?
私もそうでした。
しかし、
EarFun Clipはその先入観を
いい意味で裏切ってくれました。
オーディオオタクの視点で、
忖度なしの検証結果を報告します。
① LDACの実力:iPhone vs Android で聴き比べ
ハイレゾ相当のデータを転送できるコーデック「LDAC」に対応しています
(※要対応Android端末)。
実際にiPhone 16(AAC接続)と
Xperia(LDAC接続)で同じ楽曲を聴き比べてみました。
- iPhone (AAC接続):
全体的にフラットで聴きやすい。
「BGM」として流す分には十分ですが、
複雑な楽器の重なりは少し団子状に聞こえます。 - Android (LDAC接続):
「解像度」が激変します。
特にハイハットの残響や、
ボーカルのブレス(息継ぎ)の生々しさが段違いです。
オープンイヤー特有の「空間の広がり」に、
LDACの「情報量」が加わることで、
まるで目の前で演奏されているようなリアリティを感じました。
※注意:LDAC使用時はバッテリー消費が早くなり、
人混みでの接続安定性が若干下がります。
自宅ではLDAC、
通勤中はAAC/SBCといった使い分けがおすすめです。
② 「音漏れ」はどこまで許される? 環境別・限界音量チェック
オープンイヤー型最大の懸念点である「音漏れ」。
隣の人に迷惑をかけない限界ラインを、
騒音計アプリを使って検証しました。
| 環境 | 推奨音量 | 音漏れ判定 |
|---|---|---|
| 静かな自室・図書館 | 30%以下 | 50cm以内で微かに聞こえるレベル。家族が寝ている横でも30%ならセーフ。 |
| カフェ・オフィス | 50〜60% | 周囲の環境音(BGMや空調)に紛れるため、隣の席(1m)には全く聞こえません。 |
| 電車・バス内 | 70%まで | 走行音があるため意外と漏れませんが、停車駅での静寂時は注意が必要。70%を超えるとシャカシャカ音が漏れます。 |
結論として、
「iPhoneの音量バー半分(50%)」を目安にすれば、
日常のほとんどのシーンで音漏れを気にする必要はありません。
指向性スピーカーの進化に驚きました。
③ テレワークの要「マイク性能」とAIノイキャン
ZoomとMicrosoft Teamsを使用し、
実際の会議でマイクテストを行いました。
特筆すべきは「打鍵音(キーボードの音)」のカット性能です。
- 自分の声:
口元にマイクがない形状にも関わらず、
クリアに拾います。
少し遠くから喋っているような
「部屋鳴り」感は多少ありますが、
通話品質としては「良」レベル。 - ノイズ抑制:
わざとメカニカルキーボード(青軸)を
カチャカチャ叩きながら喋りましたが、
相手には
「カチャカチャ音はほぼ聞こえず、
声だけが抽出されて届いた」と言われました。A
Iノイズキャンセリング(ENC)が強力に効いています。
④ 遅延(ゲームモード)の実測
アプリで「ゲームモード(低遅延モード)」
をONにして検証しました。
- 動画視聴(YouTube/Netflix):
モードOFFでも違和感なし。
口パクのズレは感じません。 - ゲーム(FPS/音ゲー):
ゲームモードONにすると、
体感で0.1秒以下の遅延まで短縮されます。
RPGやパズルゲームなら完璧。
ただし、コンマ1秒を争う「競技性のあるFPS」や
「高難易度の音ゲー」では、
有線に比べると僅かなラグを感じます。
「ガチゲーマー以外なら不満なし」
というのが正直な評価です。
通話・マイク性能:仕事で使えるか?
在宅ワーク用途で外せないのが通話品質。
EarFun Clipは、
- 自分の声はしっかり届く
- デュアルマイク+ENCで雑音を軽減
- ハンズフリー通話も問題なし
「高級ヘッドセット並み」とまでは言いませんが、
仕事で使って困らないレベルは十分にクリアしています。
マルチポイント対応が地味に神
個人的に評価が高いのが、
マルチポイント接続。
PCとスマホを同時に接続できるので、
- 会議はPC
- 着信はスマホ
と自動で切り替わります。
この「考えなくていい快適さ」は、
在宅ワークではかなり効いてきます。
防塵防水・操作性など細かい部分
- IP55防塵防水:汗や軽い水濡れOK
- 物理ボタン:誤操作しにくい
- 専用アプリ:イコライザ調整可能
- 最大40時間再生:充電頻度が少ない
派手さはありませんが、
「ちゃんと全部入り」な仕様です。
正直デメリットもあります
もちろん弱点もあります。
- 電車や屋外では音量不足を感じることがある
- 重低音重視の人には物足りない
- 耳の形によってフィット感に個人差あり
通勤用メインや、
没入感重視の音楽鑑賞には向きません。
こんな人におすすめ
私の結論として、EarFun Clipはこんな人向けです。
- 在宅ワーク中心
- 会議・通話が多い
- 耳の圧迫感が苦手
- 周囲の音も把握したい
- イヤホンを「道具」として使いたい
まとめ:在宅ワーク用イヤホンの有力候補
EarFun Clipは、
万人向けのイヤホンではありません。
ですが、
在宅ワーク × 長時間 × 快適さ
この条件では、かなり完成度の高い選択肢です。
私自身、
「今日は会議が多い日」には、
もうカナル型イヤホンに戻れなくなりました。
耳の負担を減らしたい在宅ワーカーなら、
一度試してみる価値は十分にありますよ。
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